2010年09月16日
敷金と礼金は公には明確な区分がなされています
住宅ローンには頭金と言う、まとまったお金が大概必要です。賃貸にも初期費用がそれなりにかかります。その初期費用の代表が敷金と礼金と言うものです。
敷金と礼金は似ている様で内容は違うお金です。契約時に払う初期費用という意味では同じですが、退去時にその違いが出てくるものです。
礼金が大家さんへと払い込み、かえってこない契約金とするならば、敷金は一時的に大家さんに預け、退去時にはかえしてもらう保証金といえます。
ある人の退去後、次の人に家を貸す際には傷んだ部分、破損した部分を直さなければいけません。その費用を預かった敷金で賄うというのが日本の賃貸住宅のシステムです。
ある時期までは、敷金は戻ってこないという印象が強かったかもしれません。というのも、日常生活での部屋のいたみについても賃借人が負担すべきという暗黙の了解があったからです。
しかし、最近は敷金からの過剰な負担はおかしいのではないかということで、裁判においても返還請求などの判決が出ているように、状況は変わってきています。
さて、敷金についてはさらに状況が変化してきており、その最たるものが敷金0・礼金0物件という敷金を一切支払う必要の無い物件の登場です。
引越しにかかる初期費用のうち、かなりの割合を占めるのが敷金と礼金ですから、この2つの費用がかからないということはかなり初期費用が抑えられるということになります。
礼金が0というのは丸々お得ですが、敷金が0というのは少し注意が必要です。原状回復にかかる費用を敷金から差し引きできず、後で払う必要があることは認識が必要な点です。
費用面で大きなウェイトを占める敷金・礼金ですから、まず第一にこの部分が負担0の物件中心に探すのは初期費用を減らす近道だといえます。
しかし、初期費用は敷金礼金のみではありませんので、鍵の付け替えなどの費用もきちんと確認して、初期費用の総額で本当にお得かを判断することが大切です。
また、賃料自体の体系にも注意を払う必要があります。公に敷金・礼金をとらない代わりにその分を月額家賃に加算していると明示しているところもありますし、特に明記せずにそうしているところもあります。似た条件の物件をたくさん当たり、比較する必要があります。