2010年05月10日

生産の安定を第一に考えて使われてきた人工化学肥料と合成農薬


オーガニックという言葉を最近よく耳にすると思いますが、これは自然環境と生態系に調和した形で行われる有機栽培によって作られた生産物を示します。

有機栽培とは、従来農作物の発育に大変重要な役割を果たした化学肥料や化学合成農薬を使わずに、天然有機物で賄い進めようという画期的な農法のことです。

有機栽培の目的は、自然の仕組みに逆らわずに農業を行うことであり、従来活用されてきた化学物質の代わりに天然有機物を有効に活用することなどが挙げられます。

有機栽培の要求が消費者の間で高まっている要因は、これまで口にしてきた農作物は化学合成農薬に汚染されている可能性があるという報告がなされたためです。



有機栽培より生産力を期待できる化学肥料を使った農業も、土質の悪化や土壌生態系の破壊を招き、行く末は土地の生産力を低下させることになります。

環境はもちろんのこと、人体にも悪影響を与える人工化学肥料と合成農薬の危険性を考慮して生まれた農法が有機栽培です。

それでは有機栽培では、化学肥料の代替品として何を使うのでしょうか。実は作物の残余物や動物性堆肥が、大いに利用されています。

そしてまた、有機栽培で取り入れている栽培作物を周期的に替える輪作は、土壌害虫の定着を未然に防ぐために大変効果的であり、これによって化学合成農薬の未使用に努めています。



害虫の定着を未然に防ぐことは、害虫の害からだけでなくこれらが持つ病原菌から作物を守ることになり、有機栽培において輪作はとても重要な手法と言えます。

有機栽培で育てられた作物は高い栄養価を持つという報告を受けて、オーガニック食品の健康に対する評価は上昇の一途をたどっています。

有機栽培の食品は一般的に、抗酸化物質を多く含み、脂質が少ないと言われ、小麦やトマトなどの栄養素は20〜40%も高かったと報告されています。

健康で安全な食生活という点で、化学肥料や農薬による公害、薬害の心配がなく、栄養価の高い作物の摂取を保証する有機栽培は、今後更なる発展が期待できます。
















Posted by 山なしなしよ at 08:03