2010年03月30日
アトピーという言葉はアレルギー反応と関連ある疾患という意味で
アトピーという言葉は、アトピー性皮膚炎、アトピー性気管支喘息、アトピー性鼻炎などに見られるように、アレルギー反応に関連あるという意味でさまざまなアレルギー疾患に冠して使われます。
慣用的にアトピーという言葉はアトピー性皮膚炎を指し示して使われることが多いので、ここではアトピー性皮膚炎に話を限定して説明することにしましょう。
患者の8割が幼児期に発症するアトピーは、最近成人まで持ち越したり、成人になって発症、再発を起こす例が増え、学童期に自然治癒するという考えが覆されつつあります。
発症原因が未解明なアトピーですが、先天的ともいえる遺伝的要因と後天的ともいえる環境要因の二つから発症すると考えられ、研究が進められています。
家族内で発生する例、他のアレルギー疾患病歴を持つ人が発症する例が多いということが、アトピーが遺伝子要因を持つと考えられる理由であります。
その一方で、アトピーの環境要因を否定できない事実は、発展途上国での発症例の少なさ、近代化に伴う患者数の増加、環境の変化による症状の悪化ということです。
特に成人患者の増加は、アトピー素因といわれるアレルギー体質だけでは説明しきれなくなっており、多彩な環境要因が挙げられるようになりました。
アトピー症状の発生悪化を招くアレルギー源であるアレルゲンは、私たちの環境の中に無数に見られるものであり、ダニ、ハウスダスト、鳥の糞といったものが挙げられます。
生活の変化にストレスを覚え、皮膚を掻きむしる行為を習慣とするようになると、痒みは増す一方でアレルゲンの新たな侵入の恐れもあり、アトピー症状の悪化を招きます。
現代の医療技術ですらアレルギーの発症そのものを抑えることができないので、治療ではアトピー症状を少しでも軽減させることに重点を置いています。
アレルギー症状の抑制で困難なことは、アトピーの原因となるアレルゲンの特定とこの除去ですが、環境の中で無数に存在するダニやハウスダストの類は特定されても完全除去はかなり難しいことです。
清潔な住環境を整え規則正しい生活をすることは、アトピー発症の刺激を抑えることとなるので、十分な睡眠やストレスの解消も気をつけなければいけません。