2010年02月20日
そしたら家のことも今までよりできると思うし
「アルバイトしたいねんけど……」主人に切り出すと、案の定、彼は目をむいてかたまりました。「最近ずっと考えててん。アルバイトしたいなって」
サッと視線をそらし、「アルバイト?あー。またわけわからんことゆうとる……」と独り言のようにつぶやいています。「今やってるフリーライターはどうするわけ?」
日中は取材、夜や休日は原稿書き。家庭に仕事を持ち込みすぎな私のせいで、彼はだいぶ家事や育児のフォローをさせられているのです。これ以上アルバイトなんてとんでもない!って思ってるはず。
「フリーって本来、時間を調整しやすいのに、今まではついホイホイ受けすぎて仕事にがんじがらめになってたのよね。うまいこと仕事選んで都合つければ、週2くらいはアルバイトできると思うねん」
主人はあんぐりと口を開いたまま。かなり呆れているようです。「はぁ……。それで?何のアルバイトがしたいわけ?」
「カフェでアルバイトしたい!お洒落なカフェで、ホールとかキッチンとかやりたいねん!」私がニコニコして答えると、憎らしいことに、彼は何も聞こえなかったふりをしました。
性格的に接客業は合ってると思うんです。学生時代は飲食店のアルバイトをいくつもやってたし。ファーストフードや喫茶店やしゃぶしゃぶ屋さんで、ホールもキッチンも経験しました。大学卒業前の社会勉強で、親公認で祇園のコンパニオンをしたこともあります。
卒業すると、観光業界専門紙の広告営業をやりました。旅行気分で全国出張できるなんて「オイシイ」と思ったからです。実際、毎日楽しくて、「これって転職ちゃうか」なんて浮かれていました。原稿を書くことを覚えたのもこの頃です。
「女は家にいてくれ」という古風な主人の希望で、結婚を機にそこを辞めました。しばらく家でじっとしていましたが、出産し、子どもが2歳になると、どうしても我慢できなくなって、次は近所の出版社に入りました。生活経験もあったし、前職でライティングの経験もあったので、すぐに主婦ライターとして仕事を任せてもらえるようになりました。でも、仕事が好きになるとのめりこみすぎてしまうのが私の欠点。家庭と両立できなくなり、結局、春からフリーで働くことにしたのです。
でもやっぱり飲食店のアルバイトがしたい!という情熱のようなものはずっと胸にありますね。たとえば、お洒落なカフェなんかで働いてみたいんです。インテリアのセンスが良くてくつろげて、メニューにもこだわってて。そんな、雑誌にも取り上げられるようなカフェでアルバイトしたいなぁ。考えてるだけで楽しい気分になれます。こういう妄想してると退屈しないんです。
行きつけのカフェのオーナーに「アルバイト募集してるなら私働くよ!」と言ってみたら「ありがとう〜考えとくね〜」と軽くかわされちゃいました。
私は本気なのに、なんでみんな相手にしてくれなんだろう?あ〜あ、カフェで働きたい……と思いつつ、アルバイト情報誌を今日もペラペラ。