2011年09月17日
見慣れないプログラム、それ、大丈夫ですか?
今回はウィルス対策の話です。PCに慣れた人であればごくごく馴染みの「タスクマネージャ」ウインドウ。その中に、ある日見慣れない実行ソフトがあったとしたら?
そのプログラムの名前で検索してみたほうがいいかもしれません。なぜって、ウィルスかもしれませんから。
ただのウィルスならまだいいんですが、この世には「駆除不能、活動停止不能」のウィルスがあるんですよね。
そのウィルスは、ぼくが気づくまでの一ヶ月間、PCの中で元気に活動し続けていました。
「○○.exeを終了しています。強制終了するときは終了ボタンを押してください」というメッセージが、いつも終了時に出るようになってから一ヶ月。早く気づいてもよさそうなものです。
ある日、ウィルスバスターがそのプログラムをつかまえて「これはウィルスですね」と言ったのです。なぜ今まで黙っていたんだウィルスバスター先生!
とはいえ、そのウィルスも一ヶ月もうちのパソコンに居ついたのでまんざら知らない仲でもありません。ぼくは彼の正式名称「HIROFU.A」からとって彼の名を「ひろふみくん」と呼ぶことにしました。
しかし、このひろふみくんが削除不能とくれば、話が厄介になってきます。ウィルスの終了もできなければ、元ファイルも存在しない。対処法がまるで不明。さあ困った。
そうなったときに僕が何をしたか? 正直に言えば、何もしませんでした。だってこれまで一ヶ月も元気に活動してたんだぜ。なんか今さらなあ、という感じ。
彼はその後、まるで何かぼくに見えない合図が送られたかのように、何の予兆もなくいなくなりました。後にはぼくと、ウィルスのいなくなった空虚なパソコンだけが残されました。よく晴れた秋の日でした。
ひろふみくんがパソコンに感染している間、パソコンに何か不具合や問題があったかというと、そんなもとは全くなかった。不思議なものです。彼はウィルスらしい置きみやげ――厄介さも、スリルも、問題も、どんな種類の感情も与えずに去っていきました。
その後よく、ひろふみくんという名の物静かなウィルスについてよく考えます。彼は今、どうしているんだろう?ぼくの所に来たのは、ひょっとしたら、少し寂しかったからなんじゃないだろうか?